Make AIで作成した文章や画像を、ブログや広告、クライアントへの納品物に使いたいと考えたとき、多くの人が「このまま商用利用して大丈夫だろうか」という不安を抱える。利用条件は一律ではなく、生成物の内容や使い方、契約プラン、入力データの性質によって答えが変わる。
比較表を読む時は、[Make AIのメーカー公式情報](https://www.make.com/en)の現行情報を共通の基準にします。
まず押さえるべき「商用利用」の定義とMake AIの基本的な立ち位置
「商用利用」という言葉は広く使われるが、実際の範囲は人によって異なる。社内の企画書に使うのか、不特定多数が目にするWebサイトに掲載するのか、あるいは商品パッケージに印刷するのか。
一般的に、商用利用とは「営利を目的として生成物を公開・配布・販売すること」を指す。たとえば、SNSの投稿に使うだけでも、それが企業アカウントによる宣伝であれば商用利用と見なされる。一方、個人の趣味の範囲で非公開のまま使うのであれば、商用利用には当たらない。
Make AIは、ノーコード自動化プラットフォームMakeの一部として提供されるAI機能群である。テキスト生成や画像生成、データの分類などを行うモジュールが用意されており、シナリオに組み込んで使う。2026年7月現在、Makeの公式ヘルプページでは、AIモジュールの利用に関する基本的なガイドラインが示されているが、生成物の著作権や商用利用に関する独立した規約は明示されていない。そのため、Make全体の利用規約と、各AIモジュールが内部で呼び出している外部AIサービス(OpenAIなど)のポリシーを組み合わせて判断する必要がある。
Makeの利用規約から読み解く商用利用の可否
Makeの利用規約は、Makeの公式利用規約ページで確認できる。この規約はMakeプラットフォーム全体に適用され、AIモジュールにも及ぶ。商用利用に関する直接的な禁止条項は見当たらないが、以下の点に注意が必要だ。
まず、Makeの利用規約では、ユーザーが作成したシナリオやその出力に対して、ユーザー自身が責任を負うことが明記されている。つまり、Make AIが生成した文章や画像を商用利用した結果、第三者の権利を侵害した場合、その責任はユーザーにある。
次に、Makeのサービスを通じて得たコンテンツを「再販売」したり「サブライセンス」したりする行為は制限される場合がある。たとえば、Make AIで生成した画像をそのまま素材集として販売することは、規約違反となる可能性が高い。一方、自社のブログ記事に挿絵として使う、広告バナーに加工して使うといった、生成物を「利用」する行為は、一般的な範囲であれば許容されると考えられる。
ただし、Makeの利用規約は予告なく変更されることがある。商用利用を継続する場合は、定期的に最新の規約を確認する習慣をつけておきたい。
内部で利用されるAIサービスのポリシーを確認する
Make AIの各モジュールは、OpenAIやStability AIなど、サードパーティのAIサービスを内部で呼び出している。そのため、Makeの規約だけでなく、これらのAIサービスの利用ポリシーも確認する必要がある。
たとえば、テキスト生成に使われるOpenAIのAPIでは、2026年現在、API経由で生成されたコンテンツの商用利用が認められている。ただし、OpenAIの利用ポリシーでは、違法行為や有害なコンテンツの生成を禁じており、これに違反するとAPIの利用停止などの措置を受ける可能性がある。
画像生成の場合、利用されるモデルによってポリシーが異なる。DALL·Eを呼び出すモジュールであれば、OpenAIのコンテンツポリシーに従う。Stable Diffusion系のモデルであれば、Stability AIのライセンスが適用される。Stability AIは、生成画像の商用利用を広く認めているが、モデルによっては非商用ライセンスのものもあるため、Makeがどのモデルを採用しているかを確認する必要がある。
Makeのシナリオ編集画面では、各AIモジュールの設定項目に「モデル」や「プロバイダー」が表示される。ここから実際に呼び出されているサービスを特定し、そのサービスの公式ポリシーを確認するのが確実だ。
生成物の著作権は誰にあるのか
日本の著作権法では、AIが自律的に生成したものには原則として著作権が発生しない。
Make AIで生成した文章や画像を商用利用する場合、この「人間の関与」が重要なポイントになる。たとえば、AIが出力した下書きを人間が大幅に編集して記事にした場合、その記事全体には編集者の著作権が発生しうる。逆に、AIが生成した文章をほぼそのまま公開する場合、第三者が同じような文章を生成して使うことを防ぐのは難しい。
実務的には、「AIが生成した部分」と「人間が創作した部分」を切り分けて考え、必要に応じて加筆や編集を行うことで、著作権上のリスクを低減できる。特に、クライアントに納品するコンテンツでは、オリジナリティの確保が求められるため、AIの出力をそのまま使うのではなく、人間の手を加える工程を組み込むのが安全だ。
既存作品との類似をチェックする実践的な方法
AIが生成した画像や文章が、偶然にも既存の著作物に似てしまうことは十分にありうる。著作権侵害が成立するには「類似性」と「依拠性」の両方が必要だが、類似しているだけでもトラブルのもとになる。
類似性をチェックするには、以下のような方法がある。
- 画像の場合:Google画像検索やTinEyeを使って、生成画像に似た画像がWeb上に存在しないか調べる。
- 文章の場合:コピペチェックツールを使って、既存の文章との一致率を確認する。無料のツールでも一定の効果はあるが、有料の専門ツールのほうが精度は高い。
- ロゴやキャラクターの場合:商標データベース(特許情報プラットフォームなど)で類似の登録商標がないか確認する。
これらのチェックは、生成物を公開する前のルーティンとして組み込んでおくとよい。特に、広告や商品パッケージなど、ビジネス上の影響が大きい用途では、念入りなチェックが欠かせない。
入力データの扱いと権利関係
Make AIに限らず、AIにデータを入力する際には、そのデータの権利関係にも注意が必要だ。たとえば、自社で撮影した写真や、自社が著作権を持つ文章を入力する分には問題ない。しかし、他社のWebサイトからコピーした文章や、フリー素材サイトからダウンロードした画像(利用条件が不明なもの)を入力すると、出力にもその影響が及ぶ可能性がある。
Makeの利用規約では、ユーザーが入力したデータについて、ユーザーが適切な権利を有していることを保証するよう求めている。つまり、権利が不明なデータを入力すること自体が規約違反になりうる。
また、AIモデルによっては、入力データが学習に使われることがある。Make AIのモジュールが呼び出すOpenAIのAPIでは、API経由で送信されたデータは学習に使用されない(2026年現在のポリシー)。ただし、これはOpenAIのAPIに限った話であり、他のAIサービスでは異なる場合がある。Makeのシナリオで使用するAIモジュールごとに、データの取り扱いポリシーを確認しておく必要がある。
商用利用を前提としたMake AIの使い方
ここまでの内容を踏まえて、Make AIの生成物を商用利用する際の具体的な手順を整理する。
1. 利用目的を明確にする:社内資料なのか、公開コンテンツなのか、商品の一部なのかを決める。
2. Makeの利用規約を確認する:最新の規約で商用利用が禁止されていないか、再販売やサブライセンスに当たらないかをチェックする。
3. 内部で呼び出されるAIサービスのポリシーを確認する:各モジュールの設定からプロバイダーを特定し、そのサービスの商用利用条件を調べる。
4. 入力データの権利を確認する:自分が権利を持つデータだけを入力する。
5. 生成物に人間の手を加える:著作権性を高め、類似性のリスクを減らすために、編集や加工を行う。
6. 類似性チェックを行う:画像検索や文章のコピペチェックを実施する。
7. 必要に応じて専門家に相談する:特に重要な案件では、弁護士や法務担当者に確認する。
この手順を踏むことで、商用利用に関する不安の多くは解消できるはずだ。
避けたい使い方とリスクが高いケース
逆に、以下のような使い方はリスクが高いため、避けるか、特別な注意が必要だ。
- 生成物をそのまま素材集として販売する:Makeの規約で制限される可能性が高く、また、著作権上の問題も生じやすい。
- 著名なキャラクターやロゴに似た画像を意図的に生成する:依拠性が認められやすく、著作権侵害や商標権侵害になるリスクが高い。
- 他社のWebサイトの文章を入力して要約やリライトに使う:入力データ自体が著作権侵害になる可能性がある。
- 生成物の出所を偽る:AIが生成したことを隠して人間の作品として販売する行為は、詐欺や不正競争防止法に触れる可能性がある。
これらのケースは、明らかにトラブルを招きやすい。商用利用を考えるなら、まずは安全な範囲から始めるのが賢明だ。
実際に判断に迷ったときの確認先と相談先
Make AIの生成物を商用利用してよいかどうか、最終的に判断に迷ったときは、以下のような確認先や相談先がある。
- Makeの公式サポート:利用規約の解釈について直接問い合わせることができる。ただし、法的アドバイスは提供されないため、あくまで規約の確認に限る。
- AIサービスの公式ドキュメント:OpenAIやStability AIなど、各プロバイダーのWebサイトで利用ポリシーやFAQを確認する。
- 文化庁のガイドライン:「AIと著作権に関する考え方について」などの資料が公開されており、基本的な考え方を把握するのに役立つ。
- 弁護士・法務専門家:具体的な案件でリスクを評価したい場合は、AIや著作権に詳しい専門家に相談するのが確実だ。
特に、クライアントワークや商品開発など、金銭的な影響が大きい場合は、自己判断だけで進めずに専門家の意見を仰ぐことをおすすめする。
Make AIで生成した文章や画像を商用利用できるかどうかは、Makeの利用規約、内部で呼び出されるAIサービスのポリシー、そしてユーザー自身の利用方法によって決まる。重要なのは、「なんとなく大丈夫だろう」と判断するのではなく、上記の手順に沿って一つひとつ確認していくことだ。
商用利用の可否は、白か黒かではなく、リスクの度合いで考える必要がある。社内資料に使う分にはリスクは低いが、商品パッケージに使うとなればリスクは高まる。リスクの高さに応じて、確認の深度や専門家への相談を変えていくとよい。
この記事で整理したチェックポイントを活用して、安全にMake AIをビジネスに取り入れてほしい。

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