Midjourneyで作成した画像を広告や商品パッケージに使いたいと考えたとき、多くの人が「本当に商用利用していいのか」「著作権はどうなるのか」という不安を抱える。結論から言えば、利用条件は一律ではなく、契約しているプランや生成物の内容、使用目的、さらには年間収益の規模によって答えが変わる。
使い方によって答えが分かれる部分は、[Midjourneyのメーカー公式情報](https://japan-midjourney.com/account.html)の対応条件から判断します。
この記事では、Midjourneyの公式ドキュメントや利用規約を中心に、商用利用に関する判断材料を整理する。
有料プランに入っているかどうかが最初の分岐点
Midjourneyで生成した画像を商用利用するための大前提は、有料プランに加入していることだ。2023年3月に無料トライアルが廃止されて以降、すべての利用にはBasic、Standard、Pro、Megaのいずれかのプラン契約が必須となっている。公式ドキュメントでも「You must be a paying member to use Midjourney's images commercially」と明記されており、無料で生成した画像を広告や商品に使うことはできない。
したがって、「無料で試した画像をそのままSNS広告に使う」といった行為は規約違反にあたる。
プランごとの違いは、後述する「年間収益による制限」や「ステルスモードの有無」にも関わってくるため、単に料金の安さだけで選ぶと後悔する場合がある。特に商用利用を前提とするなら、Standardプラン以上が推奨されるケースが多い。
年間収益が100万ドルを超えるかどうかで必要なプランが変わる
Midjourneyの利用規約では、年間収益が100万ドル(約1.5億円)を超える企業または個人は、ProプランまたはMegaプランに加入しなければ商用利用できないと定められている。これはBasicプランやStandardプランでは許容されないという意味であり、収益規模が大きい組織ほど上位プランが必須になる。
ここで注意したいのは、「年間収益」の定義だ。Midjourneyの規約上は「総収入(gross revenue)」とされており、利益ではなく売上高が基準となる。したがって、スタートアップや中小企業であっても、売上高が1億円を超えている場合はPro以上のプランを選ぶ必要がある。
もしこの条件を見落としてStandardプランで商用利用を続けた場合、規約違反としてアカウント停止や法的措置のリスクが生じる。自身の事業規模を正確に把握し、該当するなら上位プランへの切り替えを検討すべきだ。
生成した画像の著作権は誰にあるのか
Midjourneyで生成した画像の著作権については、「生成したユーザーに帰属する」と公式ヘルプで説明されている。具体的には、Terms of Serviceの中で「You own all Assets You create with the Services」と明記されており、有料プランで作成した画像は、商用利用を含めて自由に使える権利が利用者に与えられる。
ただし、この「所有権」はあくまでMidjourneyの利用規約上の取り決めであり、法的に著作権が完全に保護されるかどうかは別問題だ。特に日本を含む多くの国では、AIが自律的に生成した創作物に著作権が認められるかどうかについて、まだ明確な判例や法整備が追いついていない。実際に、アメリカ著作権局は「人間の関与が不十分なAI生成物」に対して著作権登録を拒否した事例もある。
他人の著作物や商標に似た画像を生成していないか
これは学習データに含まれる著作物の影響であり、利用者が意図しなくても発生しうる。
商用利用において最も避けなければならないのは、第三者の著作権や商標権を侵害する画像を使ってしまうことだ。たとえば、特定のアニメキャラクターを連想させるイラストを商品パッケージに印刷したり、有名ブランドのロゴに似たマークを広告に使用したりすると、権利者から訴訟を起こされる可能性がある。
このリスクを軽減するには、生成後に必ず画像をチェックし、既存の著作物や商標と類似していないか確認する習慣が欠かせない。
画像を非公開で生成したい場合はステルスモードの有無を確認する
Midjourneyでは、通常の生成画像はコミュニティギャラリーに公開され、他のユーザーから閲覧可能になる。この公開設定は、商用利用前の試作段階にある画像や、クライアントワークで機密性が求められる案件では大きな問題となりうる。
画像を非公開で生成するには「ステルスモード」が必要だが、この機能はProプランとMegaプランでのみ利用できる。Standardプラン以下では、生成した画像が自動的に公開されてしまうため、「競合他社にアイデアを知られたくない」「発売前の商品画像を隠したい」といったニーズには対応できない。
したがって、機密性の高い商用プロジェクトにMidjourneyを使うなら、Proプラン以上が実質的な必須条件となる。逆に、公開されても問題ない汎用的な素材や、既に公開前提のSNS投稿用画像であれば、Standardプランでも十分なケースが多い。
他者が生成した画像を無断で使うことはできない
Midjourneyのギャラリーには多数の画像が公開されているが、これらを無断でダウンロードして商用利用することは禁止されている。利用規約上、画像の権利は生成したユーザーに帰属するため、第三者が許可なく使用すれば著作権侵害にあたる。
特に注意したいのは、「他人の画像をアップスケール(高解像度化)しただけ」の場合だ。この行為は新たな創作物を生み出したとはみなされず、元の作者の権利がそのまま残る。そのため、アップスケールした画像を自分の作品として商用利用することはできない。
もし他者のMidjourney画像を利用したい場合は、必ず作者に連絡を取り、使用許諾を得る必要がある。ライセンス条件やクレジット表記の有無も含めて、事前に明確な合意を交わすことがトラブル回避につながる。
生成した画像に商標登録はできるのか
Midjourneyで作成したロゴやキャラクターを商標登録したいと考えるケースもあるが、これは非常に難しいとされている。商標登録には「自他商品識別力」や「使用の意思」が求められるが、AI生成物は創作性の立証が困難であり、審査で拒絶される可能性が高い。
また、前述の通り、第三者の商標と類似していないかという問題も常につきまとう。仮に登録できたとしても、後日類似商標との抵触が判明すれば無効になるリスクがある。そのため、Midjourneyの画像をブランドの中核的資産として扱うことは推奨できず、あくまで補助的な素材として位置づけるのが無難だ。
商用利用時にやってはいけないこと
Midjourneyの利用規約では、特定の用途を明確に禁止している。主な禁止事項は以下の通りだ。
- 違法行為や有害行為を助長するコンテンツの生成
- 他者を欺いたり、名誉毀損やプライバシー侵害にあたる画像の生成
- ポルノグラフィや過度に暴力的なコンテンツの生成
- スパムや不正行為への利用
これらの禁止事項に違反すると、アカウント停止や法的責任を問われる可能性がある。商用利用の可否以前に、そもそも生成してはいけないコンテンツが存在することを理解しておく必要がある。
実際の活用シーン別・判断フロー
ここまでの条件を踏まえ、具体的なシーンごとに「使えるかどうか」を判断するフローを整理する。
ケース1:個人がSNS広告やブログのアイキャッチ画像に使いたい
- 有料プランに加入している → 問題ない
- 年間収益が100万ドル未満 → BasicまたはStandardプランでOK
- 画像が公開されても問題ない → Standardプランで十分
- ただし、既存キャラや商標に似ていないか要確認
ケース2:中小企業が自社商品のパッケージに使いたい
- 有料プランに加入している → 必須
- 年間収益が100万ドル未満 → Standardプラン以上でOK
- ただし、パッケージに使う画像が他社の商標や著作物に酷似していないか厳重にチェック
- 機密性が高いならProプランでステルスモードを使用
ケース3:大企業が広告キャンペーンに使いたい
- 有料プランに加入している → 必須
- 年間収益が100万ドル以上 → ProまたはMegaプランが必須
- ステルスモードで非公開生成し、競合にアイデアを漏らさない
- 法務部門と連携し、著作権・商標権のクリアランスを徹底
ケース4:フリーランスがクライアントワークの素材として使いたい
- 有料プランに加入している → 必須
- クライアントの年間収益が100万ドル未満 → Standardプラン以上でOK
- クライアントが大企業の場合はProプラン以上が必要な場合も
- 納品前にクライアントへAI生成物であることを開示し、了承を得る
- 生成物の権利帰属について契約書で明確化
安全に商用利用するためのチェックリスト
Midjourneyの画像を商用利用する前に、以下の項目を必ず確認しよう。
- [ ] 有料プランに加入しているか
- [ ] 自社(または自分)の年間収益が100万ドル未満か、超えている場合はProプラン以上か
- [ ] 生成した画像が第三者の著作権や商標権を侵害していないか
- [ ] 機密性が必要な場合、ステルスモードが使えるプランか
- [ ] 他者の生成物を無断使用していないか
- [ ] 禁止用途(違法、中傷、ポルノなど)に該当しないか
- [ ] クライアントワークの場合は、AI生成物であることの開示と権利処理が済んでいるか
規約は随時更新されるため定期的な確認が欠かせない
Midjourneyの利用規約やポリシーは、サービス内容の変更や法的環境の変化に伴って随時更新される。2026年時点の情報を元にしている本記事の内容も、将来的に変更される可能性があるため、実際に商用利用を始める前には必ず公式ドキュメントを参照して最新情報を確認してほしい。
特に、著作権に関する法解釈は各国で議論が続いており、新たな判例や規制が発表される可能性も高い。定期的に情報をアップデートし、必要であれば法律の専門家に相談することを推奨する。
自分の立ち位置を確認してから次の一歩を決める
Midjourneyの商用利用は、正しく条件を満たせば多くのケースで可能だ。しかし、その判断は「有料プランかどうか」「年間収益はいくらか」「どんな画像を生成したか」「誰が使うのか」といった複数の分岐によって変わる。
まずは自分がどの分岐に当てはまるのかを冷静に整理し、不足している条件があれば契約プランを見直すか、生成物のチェック体制を強化するといった対策を取ることが重要だ。不安なまま使い続けるのではなく、公式情報を根拠に一つひとつ線引きしていけば、Midjourneyの強力な画像生成能力をビジネスに安全に活かす道が見えてくるはずだ。
商用利用の条件をすぐに確認したいときのQ&A
Q. Basicプランでも商用利用はできますか?
A. はい、年間収益が100万ドル未満であれば可能です。ただし、BasicプランではRelaxモードがないため、生成枚数に制限があります。
Q. Midjourneyで作った画像をNFTとして販売してもいいですか?
A. 商用利用の一形態として認められますが、NFTの販売が「年間収益」に計上されるため、100万ドルを超える場合はProプラン以上が必要です。
Q. 解約後も生成した画像を使い続けられますか?
A. 公式FAQによれば、有料プラン期間中に生成した画像は解約後も引き続き利用できます。ただし、新たな画像生成はできません。
Q. 生成した画像にMidjourneyのクレジット表記は必要ですか?
A. 必須ではありませんが、自主的に表記することが推奨されています。特に商用利用では、AI生成物であることを明示することで透明性が高まります。
A. パブリシティ権や肖像権を侵害する可能性が高いため、避けるべきです。
Q. チームでMidjourneyを使う場合、1つのアカウントを共有してもいいですか?
A. 規約上、アカウントの共有は禁止されています。チーム利用にはProプラン以上の複数ユーザー機能を利用するか、各自が個別にアカウントを契約する必要があります。

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